
子育てにまつわるお金の制度は、正直、数が多すぎて全部を覚えていられません。うちも子どもたちを育てながら、その時々で必要な制度をひとつずつ調べては記事に書いてきました。
そこで今回は、これまで書いてきた制度を子どもの年齢順に並べ直して、一覧にしておくことにしました。ここでは金額の詳細までは書きません。制度ごとの数字は年度で変わりますし、詳しい数字は各記事にすでにまとめてあるからです。
この記事でいちばん伝えたいのは、ひとつだけです。ここに挙げる制度のほとんどは、申請しないと1円も受け取れません。 待っているだけでは振り込まれないお金が、思っている以上にたくさんあります。
うちの通信簿、通ったもの・落ちたもの
制度の説明の前に、うちが実際にどうだったかを先に書いておきます。
まず、就学援助は一度落ちています。 子どもが2人だけだった頃に初めて申請書を出したら、届いたのは非該当の通知でした。「うちの収入じゃそうだよね」と自分を納得させて、それっきり忘れていたんです。3人目が生まれてしばらくたった頃、ママ友との立ち話で「子どもの人数が増えると基準の金額も上がるらしいよ」と聞いて、半信半疑でもう一度出してみたら、今度は認定でした。収入はほとんど変わっていません。変わったのは家族の人数だけでした。
知らなくて損しかけたものもあります。 就学援助の中の「新入学児童生徒学用品費」だけは、申請できる時期がほかの費目とまるで違っていました。うちは「4月になってから申請すればいいや」と思い込んでいたら、入学前支給の受付はとっくに終わっていて(汗)、結局もらえたものの支給が数か月遅れました。ランドセルや制服代でお金がいちばん出ていく時期に間に合わないのは、やっぱり痛かったです。
いちばん面倒だったのは、正直なところ地味な作業でした。 私立高校の「奨学のための給付金」を申請するたびに、住民税の非課税証明書を市役所の窓口まで取りに行っています。手続き自体は数百円で数分で終わるんですが、「これ、毎年やるのか」と窓口に並ぶたびに思うんです。
そして、もらえていることにすら気づかないところだった制度もあります。 高校の授業料そのものを支援する「高等学校等就学支援金」は、保護者の通帳には振り込まれません。学校に直接届いて、授業料からその分が差し引かれる仕組みだからです。うちも上の子が私立高校に通い始めたころは、通帳の数字だけを見て「授業料の補助って結局もらえてないんじゃ」と半分諦めていました。
通った・落ちた・気づかなかった・面倒だった。並べてみると、どれも「知っていたかどうか」と「出し直したかどうか」で結果が変わっています。制度そのものは複雑でも、そこだけは共通していました。
子どもの年齢順、もらえるお金・戻るお金の一覧
| 時期 | 制度 | 何のためのお金か |
|---|---|---|
| 0歳〜高校生年代 | 児童手当 | 子育て全般にかかる費用を支える、月ごとの手当 |
| 小学校・中学校 | 就学援助 | 給食費・学用品費・修学旅行費など、学校生活にかかるお金 |
| 高校 | 高等学校等就学支援金 | 高校の授業料そのものを支援するお金(学校へ直接) |
| 高校 | (高校生等)奨学のための給付金 | 制服・教材費など、授業料以外の教育費を支援するお金(保護者へ) |
| 大学・専門学校 | 高等教育の修学支援新制度(大学無償化)・JASSO給付奨学金 | 大学等の授業料等減免と、返還不要の給付奨学金 |
| いつでも起こりうる「もしも」 | 家計急変支援・失業保険 | 収入が急に減ったときに、判定基準や給付でカバーしてもらえる仕組み |
それぞれ、もう少しだけ説明を添えます。
児童手当(0歳〜高校生年代)
子育て中の家庭にとって、いちばん身近な制度です。2024年10月の改正で所得制限が撤廃され、支給対象が高校生年代(18歳に達する日以後の最初の3月31日まで)まで延び、第3子以降は月3万円という多子加算も手厚くなりました。さらに、この「第3子」を数える範囲も、これまでの高校生年代までから、22歳に達する日以後の最初の3月31日まで(大学生年代まで)に広がっています。うちのように大学生と中高生が混在する家庭では、「第3子」の数え方ひとつで受け取れる金額が大きく変わります。うちの場合、中1と小5の子が加算対象になるかどうかがこの一点にかかっていました。
就学援助(小学校・中学校)
給食費、学用品費、修学旅行費、卒業アルバム代など、小中学校でかかるお金を市区町村が援助してくれる制度です。対象になるのは生活保護を受けている「要保護者」と、教育委員会が「要保護に準ずる程度に困窮している」と認めた「準要保護者」の2種類で、多くの自治体は準要保護の基準を「生活保護基準額の1.2〜1.3倍程度」に設定しています。この生活保護基準額そのものが世帯の人数で変わるので、収入が同じでも家族が増えれば基準額の方が先に上がる、ということが起こります。うちが一度落ちて、3人目のあとで通ったのもこの仕組みでした。
申請は新年度(4〜5月頃)に学校を通じて配布されるのが一般的で、1回通ったら終わりではなく毎年度あらためて申請が必要です。前年の所得で判定し直すため、状況が変わっていなくても書類は毎年出さなければなりません。もうひとつ注意点があって、入学のときにまとまって出る「新入学児童生徒学用品費」だけは、入学する前の年の秋から冬にかけて申請を受け付ける「入学前支給」という別枠になっている自治体が多いです。小学校入学なら年長さんの秋、中学校入学なら6年生の秋には、もう申請時期が来ています。
高等学校等就学支援金・奨学のための給付金(高校)
高校の授業料を支援する就学支援金は、2026年度から所得制限が撤廃され、私立の支給上限額も引き上げられました。国から都道府県を経由して学校に直接支払われ、学校が授業料からその分を差し引く(または還付する)仕組みなので、保護者の口座には振り込まれません。申請は学校配布のID通知書を使ってオンラインの「e-Shien」から行うのが基本で、新入生は入学時、在校生も毎年、所得等の要件確認が必要です。
授業料以外の教育費(制服・教材費・修学旅行費など)を支える「奨学のための給付金」は別の制度です。こちらは案内が夏(6〜7月頃)に来ることが多く、住民税の非課税証明書などを添えて学校または都道府県に提出、審査を経て11月下旬〜12月頃に保護者の口座に振り込まれます。生活保護世帯や住民税非課税相当の世帯が中心でしたが、2026年度からは一定の年収までの課税世帯にも対象が広がりました。
→ 高等学校等就学支援金、2026年度から変わった今の仕組み
→ 私立高校の授業料補助、あなたの県の公式ページまとめ【47都道府県】
大学無償化(高等教育の修学支援新制度)・JASSO給付奨学金(大学・専門学校)
授業料等の減免と、返還不要の給付奨学金がセットになった制度です。所得区分によって上限額が段階的に決まるほか、2025年度からは扶養する子が3人以上いる多子世帯なら所得に関係なく対象になる特例も始まりました。ただし「3人」の数え方には落とし穴があります。判定はそのときの生計維持者に扶養されている子どもが3人以上いるかどうかで、しかも年度ごと(毎年12月31日時点など)にやり直されます。上の子が就職やアルバイト収入の増加で扶養から外れると、残りの扶養している子が2人になり、下の子が大学生でも対象から外れる可能性があるということです。申請は、高校在学中の新入生なら学校経由でJASSOに申し込む「予約採用」、すでに大学に在学している場合は大学窓口で申し込む「在学採用」になります。
ここ、ややこしいです。
同じ「教育費の支援」でも、お金が届く先はここまで見てきたようにバラバラです。整理すると、こうなります。
→ 多子世帯の大学無償化、「子ども3人」のカウントが崩れる瞬間
もしもの時の家計急変支援・失業保険
離職や休職などで収入が急に減ったときのための仕組みです。就学支援金や奨学のための給付金には「家計急変」の特例があり、前年の所得ではなく急変後の見込みで判定してもらえます。失業保険は、会社都合か自己都合かで受け取り方がまったく違うところです。
「知っているかどうか」で結果が変わる制度ばかりです
一覧にしてみると、あらためて「申請」という行為がすべての起点になっていることがわかります。所得証明書を取りに行く、期限までに書類を出す、対象になるかもしれないと思ったら窓口に聞いてみる。地味な一手間ですが、この一手間をやるかやらないかで、実際に受け取れる金額が0円になるか数十万円になるかが変わります。
うちも、知らずに申請しないままだった制度がまだあるかもしれません。気づいたときはまたここに追記していこうと思います。みなさんは、もう申請しましたか。
ここに挙げた制度の名称・条件・金額は、それぞれのリンク先の記事に書いた時点のものです。所得区分や上限額は年度ごとに見直されるので、実際に申請を考えるときは、必ず各制度の窓口や公式サイトで最新の情報を確認してください。